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卵ストーリー
卵ストーリー

わたしの卵ストーリーを聴いてください!

これはまだわたしが中学生だったときの甘い甘い恋の卵ストーリーなんですけど。
当時はまだ携帯電話ももちろんインターネットも全然普及していなかった時代で、テクノロジーに支配された今の世の中のようではありませんでした。

中学生というのは思春期の真っ只中にある時期で、ちょうどおたまじゃくしがカエルになるときの手も足もしっぽもはえてる状態のような、一番中半端な時っていうか、体も心も成長し、ただ大人になりきれないという難しい時期です。
そんな背景の頃に出会った「卵焼き」のストーリーを公開します。

わたしの学年は10クラスもあるマンモス学年で、その中でもうちのクラスは特別仲が良くいつもにぎやかなクラスだった。
いつも誰かを笑わせようとしている金子君、ケニーと呼ばれているどこか女らしい小松君、だれよりも男勝りの雅美、超可愛くてド天才の恵美、いろいろな個性のキャラが混ざったクラスだったけど、男子も女子もみんな仲が良くて一致したクラスだった。
放課後クラスが終わってもほかのクラスと違ってみんなすぐに帰ったりせずにしゃべったり遊んだりしていた。ほかのクラスの子たちもうらやましがっていた、そんないいクラスだった。
その中でわたしはクラス名簿1番の相場君に恋をしていた。
相場君はスポーツでも勉強でもとくに目立つ存在というわけでもなかったが、とにかく穏やかな優しい性格の持ち主で、誰からも好かれていた。わたしはべつに特に輝くタイプの女子でもなかったし、ごく普通のどこにでもいるタイプだったのに、そんなわたしにいつも声をかけてくれて、優しく接してくれるそんな相場君に自然と惹かれていく自分に気づいていた。

そんな中学2年の夏休み後だった、あの「卵焼き」を作ったのは・・・・

夏休み後はたいていどのクラスも席替えをするものだ、それが生徒たちの楽しみにしている“大イベント”でもある。
わたしたち2年3組はくじでだれがどこに座るかを決めていた。わたしは右側廊下側の前から4番目だ、悪くない。
相場君の隣にこそなれなかったが、それでも右斜め後ろの席になった。右斜め後ろが右斜め前よりなぜいいかというのは言うまでもない。右斜め後ろは相場君がいつも視界の中にいて、愛しい人の一生懸命な後姿をずっと見ていられるからだ。わたしはそれだけで幸せだった。
それだけじゃない、この席は給食のとき班ごとに4人で座ると相場君と同じ班になれる席なのだ。それが嬉しくてたまらなかった。毎日4時間目が終わって給食の時間が来るのが楽しみでたまらなかった。
給食になると嬉しいんだが心臓がどきどきする。箸の使い方はきちんとできているだろうか、食べ方やものの噛み方は上品だろうかなんて細かいことまで気になったりして・・。
でも同時に、相場君を意識しているということが彼本人にばれないように気を使いながら食べてもいた。
「相場君はどんな料理が好きなの?」
ある日、思い切ってそんな質問を投げかけてみた。会話というのはキャッチボールと一緒だ、突然でも何でもこっちがものを投げれば向こうも取らないわけにはいかない。
「好きな料理か・・? うーん・・鶏のから揚げだろ、コーヒー牛乳だろ、春雨サラダ、ショートケーキ、うどん、あと卵焼きかな。」
「へーたくさんあるね、っていうかコーヒー牛乳とかショートケーキとかは料理じゃないでしょ。
「ナニ言ってんだよ、ああいうのも立派な食事の一つじゃないか」
「わたし春雨サラダは嫌いだけど、卵焼きは好き。」
「オマエ、卵焼き作れんの?」
「馬鹿にしないでよー、わたしだって卵焼きの一つくらい作れるわよ!」
その日の給食はとても楽しかったのを今でもよく覚えている。その日家に帰るとわたしの頭の中は「卵焼き」でいっぱいになっていた。
「お母さん、卵焼きのおいしい作り方教えて!」
「どうしたの? なんでまた・・」
「いいから! お母さんの卵焼きおいしいからわたしもクラスメイトに作ってあげたいのよ。」
昔から口だけは達者で世間を渡ってきたタイプだった。でもお世辞も半分混じっていたが、本心も半分で、母の卵焼きは特別おいしかった。
自分にもこんなおいしい卵焼きが作れたらいいのにと長年思ってきたが、そのチャンスが今到来したのだ。
母は親切に「特製卵焼き」の作り方を教えてくれた。
ほんの少し、牛乳と酒を加える、ここがポイントだ。そして酒よりも砂糖の割合を多くしたほうが、甘くおいしくできる。
味付けを習ったら今度は丸め方だ。このフライパンの上での丸め方で見た目、美しさが決まる。たとえ最高においしい卵焼きができても大地震が起きた後の建物みたいに崩れていちゃあ話にならない。
わたしは来る日も来る日も卵焼きを練習し、練習し、練習した。こんなにひとつのことに打ち込んだのは子犬の可愛いパズルをした時以来じゃないだろうか。愛の力ってすごい・・・。

そしてついに、その成果をだせる最高の機会が訪れた。家庭科の授業、調理実習の時間だ。
生徒たちは自分の得意な料理を一つ選んで作るようにという指示が与えられた。わたしは迷わず卵焼きを選んで作った。何度も練習したあの感覚で、何度も試行錯誤を重ねたあの味で作った。
作った後は班の人たちが食べて評価・採点をする。そう、つまり、相場君がわたしの作った卵焼きを食べるのだ。
「うわ!なんだこれ!」
え!? 一瞬ドキッとした・・ 何が悪かったんだろう?
「うわ! なんだこれ! この卵焼きめちゃくちゃうまい!!」
今度は逆にドキッとして心臓が止まりそうになった・・
班のみんなもベタベタに褒めてくれる。たかが卵焼きごときで王女様になったような気分にさえなったわたしだった・・。
結局評価・採点が最高得点だった私の卵焼きは、クラスの代表作品となり、今年度学年の調理実習レシピに載せられることにもなった。
実を言うと私の予定では、この卵焼きは相場君に告白する時用に練習していたものだった。
ある日バスケット部の相場君に差し入れの卵焼きを持っていく。その卵焼きと一緒に告白の手紙を入れて・・・
・・・なんて考えていた。だけど結局ぜんぜん違う形での披露になってしまった。まぁ自然な形で相場君に食べてもらったから逆に高く評価されて注目されちゃったけど。
でもそのせいで告白のタイミングも逃しちゃった。今度は鶏のから揚げに挑戦しようかな・・・・

こんな甘い恋の卵ストーリーでした。
もう10年以上前になりますが、時々このストーリーを思い出しながら卵焼きを未だに作っています。
このストーリーの続きはどうなったかって・・?
それは次号「鶏のから揚げ大作戦ストーリー」に続きますのでお楽しみに!


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author:mytamago, category:-, 15:07
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